[rakuten:book:11822288:detail]
全国犯罪被害者の会あすの会)の活動を知るのに絶好の1冊。2000年の会設立から、基本計画策定(会で訴え続けてきた「公訴参加」「付帯私訴」等が盛り込まれる)までの6年間を追った内容。

187頁、「(ドイツのクーベ裁判官の言葉)『被害者』が、『公訴参加人』として参加することで、たいへん、裁判がスムーズに進むことが多いのです。それが『公訴参加』制度の、一つの大きなメリットと言えます。なぜなら、被害者は事件のことについて、最も深い関係を持っている当事者だからです。当事者がすべて法廷にそろうことで、裁判官は、さまざまな角度から、事件の内容をより深く知ることが出来ます。(中略)いずれにせよ、『被害者』『遺族』の権利に対して、ずっと目をつぶっていることは、どんな法秩序にとっても、してはならないことです」。

306頁、「犯罪被害者への補償を考える場合、「自らが被害者になった場合にどうなるか」という認識を持てるかどうかが、決定的な違いを生む。政治家も、官僚も、弁護士も、すべてみな、どこで犯罪の犠牲になるか分からないのが、現代社会の現実である」。

福田さんの『でっちあげ』に出てきた久留米大の前田正治氏がこの本にも出てきた。あちらでは母親の意見を鵜呑みにしてPTSDの診断をしたと書かれていたけど、この本ではPTSD研究の第1人者的に描かれていた。同じ人でも、見る人が変わればこんなにも違うものなんかー。