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29頁、「(バレットからの引用部分)「こうした形式化の過程の結果、統合失調症の標準的な定義に含まれない患者の経験の領域はしばしば無視されることになる」。そして「読み、話し、記述するというこの臨床サイクルを経て、患者は自分自身とは切り離された対象としての疾患に出会う」ことになるのだという」。

39頁、「患者との日常的なかかわりのなかでは、看護師にとって、疾患はあくまでも患者の多様な訴えや困難の一部に過ぎなかったはずだし、個別的な背景のなかで語られる患者の呟きや痛みは、ときに避けようもない鋭敏さや切実さで感受されてきたのではなかったか」。