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24頁(村尾泰弘)、「非行少年の対応においては、少年の行動規制を課す役割と、少年の自由意思を尊重するという二つの役割が求められ、その相克に非行臨床に携わる者はしばし困惑させられるのである。これがダブルロールの問題といわれるものである」。

30−31頁(村尾泰弘)、「それは、彼らの生活姿勢を他罰的姿勢ととらえ、それに対する対応を検討してみることにしたのである。さて、他罰的とはどのようなことか。平たい言葉で表現すると、彼らは「言い訳の天才」とでも表現できようか。彼らは、悪しき結果の原因を「外へ」帰属させようとする。(中略)したがって、少年たちが、他罰的姿勢を取れないような対応を取らなければならないことが理解できよう。では、どうするか。それは、少年にとって肝心なことは、自分自身で決定させることである。つまり、自己決定の原則を貫くことが大切だと考えるのである。そして、その結果がうまくいけば、本人を誉め、うまくいかなければ、内省の材料にする。これが非行臨床の要だと考えている」。