生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す―国のモデルとしての棄民政策

生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す―国のモデルとしての棄民政策

115頁、「北九州市は123号通知を全国に先駆けて導入するにあたり、福祉事務所から「福祉」の仕事をしたい人材を排除し、「出世」したい人材を迎え入れた。そして、その仕事は徐々に「福祉」ではなく「惰民取締り」に変質していったということであろう」。

128頁、「生活保護費は、最低生活以下に落ちる「貧困」者の数、その増減の結果であって、予算の枠があるからといって、生活困窮している人に生活保護しを支給しないということは、憲法生活保護法の趣旨からして許されないからだ。ところが北九州市には、その「当然の論理」とは全く逆の「300億円ルール」というものが存在している(中略)1991年以降、生活保護費決算額が見事に300億円以下の290億円前後で推移している」。

138頁、「北九州市でも『ひとを殺す福祉』が横行している。自殺の多発、高齢者の死後発見される例の増加にその一端が示される。福祉事務所では、新規申し込みケースには、廃止ケースを持ってこないと決裁印を押さない、所長室にはワーカーごとの廃止数のベストテン表を貼り出して廃止競争をさせる」。