図書館で借りた。

27頁、「つまり、「何を言っているか」ではなく、「何を言わんとしているか」をじっくり見る必要があるということです。もちろん聴き手がそこで「あなたは不安なんですね」と口に出して尋ねてしまっては意味をなしません。「不安」が自らにとって明らかになるのは、自己との対話を通じてであって、他者が指摘しても、それはラベリングにしかなりません(中略)相手の気持ちに添うとは、ピリオドを打たないことなのです。型にはまった結論を導き出すことによって、聴き手がカタルシスを得ようとしないことともいえます」。

143頁、「ここで大事なのは、相手の怒りをどう自分の中で咀嚼して、逆に信頼関係にもっていくかなのです。怒りという感情は関係を遮断したり、決別したりということだけに働くものではなく、山口さんが指摘するように理解を求めたいがゆえに起きることでもあるのです。反作用的に対応すればこちらにプラスに働くことも多く、つまり、怒りを互いに理解し合えば深い共感に発展していく可能性もあるのです」。

202−203頁、「(福田和也の著書を引用する部分)こうした指標で、人を別けてみると、単純に見える集団も、いろいろな形で線引きが出来て、全然対極にあるように見えていた二人が、あるカテゴリーではきわめて近い、などということがあるのではないでしょうか。これが行動になると、さらにいろいろな指標があります(中略)大事なことは、普段から観察と分類を、じっくりしておくことですね。いろいろな人をじっくり観察しておく。観察して区分をして、自分の中にいろいろな人たちのデータを蓄積しておくのです」。