図書館で借りた。買ってもいい本。

聴き上手が人を動かす (ベースボール・マガジン社新書)

聴き上手が人を動かす (ベースボール・マガジン社新書)

9頁、「「コーチング」を簡単に説明すると、「一方的な指示命令ではなく、質問提案によって相手に話をさせることで、自分の特性に気づかせ、自発的な行動を引き出していくコミュニケーションスキル」となります。そもそも「コーチ(coach)」という言葉の語源は「馬車」で、相手を望むところまで送り届けるという意味合いがあります。もともとスポーツ分野から、ビジネス分野へと発展した言葉なのです。「コーチング」では基本的に、相手が答えを持っているという大前提の上で、質問や受け答えを通して、相手に”気づき”を与え、自ら行動させることが目的」。

24−26頁、「人の上に立つ者が、選手や部下に自ら考え工夫する環境を与える。良いところを褒めて、その後に前向きなアドバイスや提案をすれば、選手や部下はチャレンジ精神を持って意欲的に動くことができる(中略)人の上に立つ者は、結果ばかり気にして、選手のやる気を削いで、受動的にしてはいけません。結果も経過と考えて、選手を観察して良いところを褒めれば、自主的に動いていくはずです」。

98−99頁、「上から指示命令したり、答えを提示したりすることはあまりにも簡単です。けれど、部下や選手、子どもたちは自ら考えさせることではじめて責任感を持って行動し、成長することができるものです(中略)コーチングのテクニックなども紹介してきましたが、人の上に立つ者は、まずは部下や選手との信頼関係をどう構築するか、考えて実践してほしいと思います。信頼関係ができあがれば、あとは「ノートライ、ノーエラー」を捨て、経過を褒めて、部下や選手の可能性を引き出すことに注力すればよいのです」。

156頁、「私は生徒指導を受け持つことが多く、研修でカウンセリングの講義も受けてきました。相手の言うことを、好き嫌いにかかわらずすべて受け入れる「受容」から入るところは、カウンセリングとコーチングとで共通しているところだと思います。けれど、コーチングは、カウンセリングのように悩みを解決するということよりは、生徒を一歩前に出させる、背中を押すことができるコミュニケーションスキルではないかと思っています」。


21−22頁、「「したいこと」を考える人も、その実現のために行動は起こします。しかし、そのような人は実現のための「現実的な手段や方法」を考える習慣がないため、うまくいかないのです。うまくいかないことを繰り返していると、心の「負け癖」がつき、「私にはできない」という思い込みが生まれてしまいます。そして、負のスパイラルに巻き込まれていきます。一方で、夢の実現のために自分に「できること」を考える人は、物事を現実的に捉えます。そして、自分が「できる」ことを見つけるために情報収集をし、その実現の方法を講じます。そこで見つけたものは自分ができることなので、成功体験を積み重ねることができます。そして、それによって前身でき、さらに高い目標に向かうことができるのです」。

115頁、「ところが、業務を特化し、自分のビジネスのコア・コンピタンスを決定することで、ビジネスモデルの構築や広告/営業戦略などが次々に決まりました」。