図書館で借りた。どれも買ってもいい本。

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

28頁、「企業活動の当事者が事実を認知するのは当然である。重要なのは、「属人的」に見えているものではなく、「組織」として「見える」ようになっているかどうかである」。

54頁、「明治大学斎藤孝教授は「コミュニケーションとは「意味」と「感情」のやりとり」だと定義している。そんなコミュニケーションの一種である「見える化」においても重要なのは、たんに情報の透明性を確保するだけでなく、「感情の見える化」を工夫することである。顧客や代理店の怒りの声、称賛の声を無機質に伝えたのでは、相手の「感情」は削ぎ落され正しく伝わらない」。ITは「意味」の伝達や「情報」の格納には向いているが、「感情」を伝えるには適していない側面がある。顧客や代理店から直接届いた「生」のファックスやメールのコピーを、目に飛び込んでくる場所に貼り出す―そんなアナログ的な手法こそが「感情」を伝える最も効果的な方法なのである」。

25−26頁、「自助=自分を助ける」という営みに欠かせないのは「助ける主体としての自分を見出す」ことであり、そんな「自分自身と出会う」ということである。「自助の援助」とはその基本において、自分自身との出会いを通じて他者とのつながりの回復と想像を目指すプロセスである。つまり「自助」の反対語は、一般に思われる「依存」ではなく、「自己の喪失」と「孤立」である」。

73頁、「私は家族歴や生活歴ではなく、まずは「いま何が起きているか」と「いままで何が起きていたか」を理解しようとする。特に注目するのは、そのことをめぐって繰り返されている「パターン」である。パターン化された生きづらさには、必ずパターン化された一つの対処行動がセットになっている。当事者や家族に話を聞くときに忘れてはいけないのは、第一にその困難のなかでもなんとか生きようとしている家族の絆を尊重することであり、第二に「そのなかでいちばん苦労しているのは当事者自身である」という本人への深い共感の姿勢である」。