ヘヴン

ヘヴン

172−173頁、「その組み合わせのなかでさ、僕たちの側で起こってることと、君の側で起こってることは一見つながってるように見えるけど、まったく関係のないことでもあるんだってことだろ。そうだろ?たとえば君はさっきまで君の目が原因で苛めを受けてると思っていた。でもそんなの僕にとってはまるで関係がないことだった。君が受けている眠れないくらいの苛めは、僕にとってはなんでもないことだ。良心の呵責みたいなものなんてこれっぽっちもない。なんにも思わない。僕にとっては苛めですらないんだよ。僕と君に限ったことじゃなくて、考えてみればみんなそうじゃないか。思い通りにいかないことしかないじゃないか。自分が思うことと世界のあいだにはそもそも関係がないんだよ。それぞれの価値観のなかにお互いで引きずりこみあって、それぞれがそれぞれで完結してるだけなんだよ」。