図書館で借りた。

ディレクターズ ノート もうひとつのプロフェッショナル

ディレクターズ ノート もうひとつのプロフェッショナル

81頁、「(鈴木敏夫)「自分の思い通りにやっていくと、自分の枠を超えない。自分の力はたかが知れている」」

108頁、「(武部聡志)スタジオトークで、住吉アナウンサーが歌い方のアドバイスをもらって、歌声の響きが劇的に変わりました。このとき武部さんは、半音ズレているからダメだというのではなく、ほんのわずか音程がズレるのも歌い手の個性だ、と言っていました。忠実な音程を求めるより、歌全体の捉え方や、メリハリのつけ方などに重きを置いて、全体像をプロデュースしていく」。

172頁、「(杉野英実)なかでも、杉野さんが91年に世界一を獲ったチョコレートムースは、漆のような輝きが美しくて、とにかく美味しい」。

190頁、「(細野秀雄)細野さんの信条は、「オールオアサムシング」。一生懸命やったときは、失敗したとしても必ず残るものがある。そして次のステップに生かしていくことが重要。前向きであるからこそ、完全な失敗はない」。

210−211頁、「(吉田謙一)能力があるかどうかはあまり重要ではない。それは仕方がないことで、時間をかければいずれ身につく。だから、最初から高いレベルは求めていない。どれだけ真剣に取り組もうとしているのか、その姿勢が大事だ(中略)部下がいい仕事をして褒めるときには、必ず一対一のときに褒めるようにしている。メンバーがいるところで褒めると、嫉妬するヤツが出てくる。男の嫉妬ほど大変なものはないんだ。面倒くさいよ」。

212−213頁、「全部教えればいいというものではなくて、なぜ、突き返されたのかを自分で考えることが重要(中略)作業員に、あれやれこれやれと言ってもなかなかできない。大事なのは、納得させること。数値化して説明すれば納得してくれる」。

220頁、「(神谷整子)プロフェッショナルとは、私の中ではやっぱりそのときそのとき最善を尽くすことができる者というふうに私の中では思っているんですけど」。

284頁、「(茂木)これは番組のメッセージでもあるんだけど、プロフェッショナルは、受難を情熱に変えることができる。受難と情熱は、両方とも英語では”Passion”。人間は、受難に遭遇すると、たいてい性格が曲がったり、世の中を恨んだりしがちですね。受難から受けるのは、多くが挫折感。そこを情熱に変換する方法がある。別の言い方をすると、怒りが情熱のもとになる。受難をなんとかしてやろうという怒りが情熱を生む」。

288頁、「(茂木)自分の経験値で、「できるのはこれくらい」と思った瞬間に負けなんです。脳は、安全のために、自己保全のために、リミッターを勝手に作ってしまうところがある。オリンピック選手は、そのリミッターをどうやって外すか、がものすごく大事なポイントになります。スピードスケートの清水宏保さんと話をしたとき、「肉体の限界よりも脳の限界が先に来る」と、言っていました。脳は勝手に思い込んでしまう。これ以上、できないと。それを外すためには、やっぱり地道に努力するしかない。例えば、英語が喋れないという人に限って、努力していない。本当に1日5時間、必死になって英文を読みまくって書きまくって喋りまくってるかというと、やってない。やるか、やらないかの差。「できない」というのは、ただの怠け者の言い訳です」。