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【送料無料】野村ボヤキ語録

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44頁、「まったくうまく名付けたものだと思うのだが、ピッチャーとキャッチャーのコンビは「バッテリー」と呼ばれる。ピッチャーは基本的にプラス思考の持ち主だから、その相棒を務めるキャッチャーはマイナス思考であってうまくバランスがとれる。ということは、ピッチャーがマイナス思考のおびえ人間タイプの場合は、キャッチャーがプラス思考に転じ、ピッチャーに少しずつ自信をつけてやればいいわけだ」。

58頁、「そこで重要になるのが、アレンジ力なのだ。つまり、自分の体験をそのまま語るのではなく、そのエッセンスだけを抽出し、現代に通用するようアレンジするのである。そうすることで、同じことを語っても受け取る方は昔話には感じなくなるものなのだ」。

96頁、「あれこれ望んでも先週は混乱してしまい、結局中途半端になってしまう。そうではなく、果たすべき役割をシンプルに提示し、それをまっとうすればほかの失敗は多少多めに見てやる。それが、一芸に優れた人材を活用するポイントだと私は考えている。そうやっていくうちに自信が生まれ、自分で考えるようになり、いい意味での欲が出る。自分が劣っている部分ももっと伸ばそうと努力するようになるものなのである」。

126頁、「シンクロナイズドスイミング日本代表のヘッドコーチとして日本に幾多のメダルをもらたり、北京オリンピックでは中国代表のコーチとして銅メダルを獲得した井村雅代さんと、あるシンポジウムで同席したことがあった。そのとき、井村さんは自分が選手たちを叱る理由について、こう語っていた。「人間は自分のことを安く見積もることが多くて、ここが精一杯だと限界をつくってしまう。私からすれば、その子の限界はもっと上にある。だから、もっとがんばらそうと思ったら、やさしい言葉をかけるのではなく、強い口調でいわないと動かせません」。

140−141頁、「私が実践していた方法は、理論的に説明してやることだった。つまり、「かくかくしかじかの理由で私は叱ったのだ」と、なぜ叱られるのかきちんと説明し、そのうえで「おまえはどう思う?」と最後に訊ねるのである。理詰めで迫るから、相手は納得せざるをえない。現実に私とのあいだにわだかまりが残ることもなかった。もし、あなたがちょっと叱ったことで相手が反発したり、傷ついたりしてしまったというのであれば、こうした叱る前の準備とフォローを怠っていなかっただろうか。その意味では、叱る側にも問題があると私は思うのである」。

176頁、「江本、江夏、門田―この三人から私が学んだのは、「人を見て法を説け」ということである。つまり、その人間にもっとも適した言葉をかけなければ、人は動かないし、変わるものではないということだ。人間は十人十色。三悪人ほどでないにしろ、それぞれに個性がある。頭ごなしに命令して従う人間がいる一方、反発する人間もいるし、気持ちを表情や態度に出すタイプがいれば内に秘めるタイプもいるだろう」。