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- 作者: 横田増生
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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218頁、「少子化問題を話し合う流れで、野党議員が女性の育児休暇の取得や児童手当などの面で政府の対応が不十分だと発言すると、自民党の衆議院議員の佐藤ゆかりはこう言った。「日本には現在、財政再建という大切な課題があります。(子どもを産む女性は)自助努力で頑張っていくことが必要です。大事なのは、自分でできるか、そういう精神を持っていなければなりません」」。
219頁、「子ども一人を育てるのに二〇〇〇万円かかるという子育てを、高級車を買ったり、世界一周の豪華客船旅行に出かけたりするのと同一線上にある”贅沢な消費行動”とみなすのなら、佐藤の言うとおり公的援助を期待するのは甘えた態度と言えるだろう。しかし、マズローの論理に見られるように、子育てを現代人の幸福に欠かせない営みだとするなら、楠木の言うように子育てを自己責任の問題として切り捨てようとする日本社会の態度は冷酷以外の何物でもない」。
220頁、「この二つを並べてみると、国民負担率と社会保障の間には相関関係があることがわかる。国民負担率が大きくなり、”大きな政府”となるほど、家族支援や公的教育への支援も手厚くなる。フランスは日本より”大きな政府”であるがゆえ、三歳から大学までの公立教育を無料にすることができる」。