図書館で借りた。

モンテッソーリ教育を受けた子どもたち---幼児の経験と脳

モンテッソーリ教育を受けた子どもたち---幼児の経験と脳

100−101頁、「これらの事例を通して見極めたいことは、どんな子どもにも奥底に善良さが潜んでいること、その子の落ち着いたやさいい本来の姿は、たった一つの道筋を通って立ち現われるということです。つまり、1、自分の自由意思で取り組む。2、自分のリズムで納得いくまで繰り返す。3、全力を傾注する。繰り返しながら集中する。4、やり抜いた後に、深い充実感や喜びを味わう」。

132頁、「三段階レッスン。子どもに物の名称を教えるのに効果がある教え方で、三つの段階を踏みます。まず、教えたいものを見せたり、聞かせたり、触れさせたりなど五感を使って体験させ、それに伴う名詞か形容詞を発音する。次に、物と名称との関連が子どもに理解されているかどうか、質問を繰り返し、名称と物との一致を意識の中に定着させる。最後に、物の名称を発音させ、物と名称が一致したことを確認する、というものです」。→「これは○○です」「○○はどれですか?」「これは何ですか?」

179頁、「では、なぜモンテッソーリ教育を受けた子どもたちは共通に「人をほめる」のでしょうか。その理由として、三つのことが考えられます。一つめは、ミラーニューロンが活発に働いた時期に「良いものを見て学ぶ」習慣が身についたので、「良い」ものに敏感に目をとめる。「良い」ものに憧れる。感心する。二つめは、「自分で選び→自分のリズムで努力し→全力で乗り越え→できるようになる」というプロセスを幼児期に幾度にも繰り返し歩んだので、他の人の努力の過程が分かり、成功の喜びを共感できる。三つめは、自分と同じように他の人にも、その人なりの目標があるので、人の生き方を認める。自分の生き方も認めてほしい。だから、人と比較しない」。

197頁、「子どもは「できない」のではなく、「やり方がわからない」のです。本当は「どうすれば自分でできるか」を知りたいのです。子どもの奥底にある深い望みを信じて、口先で「しなさい!」というのではなく、動作で「して見せる」ことを徹底しましょう。モンテッソーリ教育では、この「して見せる」方法を「提示」と言い、この「教える技術」を心をこめて、相手の深い尊厳のうちに実行することを徹底するのです」。