6/365 鈴木伸元『加害者家族』(幻冬舎新書)

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127頁、「辺見庸は『愛と痛みー死刑をめぐって』で、父親が申し開きをしなければならない現状を深く憂えている。「これは誰がさせていることなのか。世間の声を受けたマスコミが家族にやらせている。世間に強いられて家族がやらされている。これはこの国に特有の現象です。・・・私は危惧を禁じえません」。

139頁、「石井弁護士は親に対する批判をするよりも、親の苦しみに共感をしながら冷静に事件の要因を探り、どうしたら改善できるかを考えていくことを基本にすべきだと考えているが、それでもときには批判の目を向けてしまうことがあるというのだ」。

183頁、「アメリカでは刑務所で服役中の受刑者に対して、「家族」の存在を学ばせるプログラムが行われている(中略)この行動スキルは、家庭や職場など生活の様々な場面でどのように振る舞えばよいのか、受刑者にモデルを提示し、再犯を侵さずに生活していける力を身につけさせようというものだ」。

199−200頁、「加害者家族がたどることになる悲劇は、そもそもすべて加害者自身が引き起こした犯罪が原因となっている。家族を巻きぞえにし、苦しめることに思い至らなかった加害者に非があるのだ。逆に言えば、事件後、自分の家族に降りかかるであろうさまざまな苦しみを想像することができれば、その人は罪を犯さずに踏みとどまるかもしれない。本書がそのような観点から少しでも役に立てばと思い、筆を執った」。