5月26日の道新に載っていた砂川市立病院精神神経科部長内海久美子さんの話。

「通帳を盗られたという妄想は、盗まれないよう分かりにくい場所にしまい直したことが原因である場合が多い。移動したのは忘れても、前の保管場所は覚えている。わたしたちならどこへ移したのかと考えますが、判断力が落ちているために、嫁や夫が盗んだと疑うのです。そんな時、決して否定しないでください。否定すると、信じてくれないことに腹を立て、介護者が敵になってしまう。味方だと印象付けるのが大切です。「大変だ」と共感し、探すふりをしてください。そして、「疲れたから一休みしましょう」と言えば、そのうち何を探していたかを忘れます。」

「「母に会いに行く」と言われても「死んじゃった」と言うのではなく、「明日にしよう」と答えてください。明日になれば忘れています。介護はぎくしゃくしないことが大切。愛のある嘘は許されます。」

「大声には小声で話し、視線の高さを相手より下にしてください。動物的本能で、相手の目線が上にあると攻撃的になってしまうのです。ゆったりした低いトーンの口調で、「どうして怒っているの」と話しかけ、何でも手助けするという意思を伝えてください。」

「子供のしつけとは違う。叱ってはいけません。汚したパンツをたんすに隠していても、「まだ恥ずかしいと思えたんだ」と前向きにとらえてほしい。」