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妻が買ったのを借りた。ハンナ・アーレントを読んでみたくなる。

97‐98頁、「自分にどんな音楽が合っているのかを決めるには、どんな音楽もやってみるしかない。そりゃ、フォーレとバッハくらいなら、どっちも弾けなきゃ駄目さ。だけどこれから成長して、『自分』てものが作り上げられてくると、やっぱり好みや得意分野というものはできてくる。今はどんなものでも、がんがん弾いていくといいよ。若いときは、それがやれるんだから」。

175−176頁、「自分がこれまで、本を読むという名目でやってきたことの正体が、一気に見えてきた。理解できたわけでも、共感できたわけでもない、ただ難解そうに見える本を読んで、さもさも理解でもできてでもいるかのように頁をめくり、さもさも共感できたかのように本を閉じ、その様子がちゃんと周囲の人に目撃されたかどうかを確認する、たとえそこに誰もいなくても、自分自身を目撃者にして、ごまかしてしまう。自分をだます。そんな茶番劇を僕はこれまで何年間も「読書」ということにしていたのだ」。