49頁、『めぐり逢うべき誰かのために/明日なき生命の死』(石川正一)

66頁、「だから、この仕事から得られる最大の報酬である「あなたのおかげで・・・」は基本的に辞退しようという感覚を、私はかなり早い時期にもちました。言いかえれば、「この仕事に私は人生をかけない」ということです」。

89−90頁、「つまり、お金という経済原則からはじかれたように生活保護で暮らしているなら、むしろ自分たちの経験をもって、経済活動の中にもう1回首をつっこんで、逆に、経済活動の中に本来の人間らしい部分をとりもどしていくことができるのではないか」。

98頁、「ちょっと、『わたしが治る12の力』という本から引用させてください。「<病気になる>ことと<治る>ことは対立する異種の力学が働いた結果のようにみえますが、じつは、おなじ<力>の異なった表現でしかありません」。また、上野さんは「病気は治らなかったけれども<わたし>は治ったとか、「病気が治らなくても<わたし>はだいじょうぶ」ということがあるんだ、と言っている」。

124頁、「過去の歴史を読みこんだ身体というのは、とくに統合失調症のような高性能の<非常ベル>をもった人だと、現実の暮らしに踏み出そうとしても、<危険>を察知し、妄想や病気というバリアを2重3重に張って、その人を保護しようとする。そういう意味では、私の実感では、統合失調症など精神障がいを持つ人の身体は、ものすごく保守的ですね」。